
2004年10月のTalk-Delivery
10月10日(Sun)先月、いつ頃だったか「あぁ、秋が来るのだ。」と実感させられるシーンに出くわした。 ビル壁に一匹のセミが貼り付いており、鼓膜破かんばかりに威勢良く鳴いていた。 「おー、まだまだ頑張っておる。」そばで眺めていた。 すると、だ。 「みいいいいん!!みん!!み・・・。」カサッ。 石ころのように落下した。 「ありゃ、死んじゃった。」 彼だか彼女が生涯を終える瞬間を看取ってしまったのだ。 森山直太郎が突然現れ、 「♪な〜つのお〜わ〜り〜♪」と歌い出しそうな雰囲気であった。 夏が去る淋しさが漂う。 この『太郎』だか『花子』は幸せな人生、いや、セミ生を送れただろうか。 どこかに埋めて土に還してやりたい気もしたが、わたくしはジャンボサイズの虫がどうも触れない。 「じゃ、ティッシュで。」などと包んでみたら実はまだ息があって「じ!!」なんて 話しかけられた日にゃあ、おったまげて放り投げてしまう可能性がある。 「素敵な歌声をありがとう。」と言い残し、バイバイした。 さて、そんな決定的瞬間を体験し、秋はえっさほいさとやって来た。 いとこのちーちゃんにとびきり可愛い赤ちゃんが生まれ、親戚一同集まって、お祝いの宴が催された。 叔母に栗をもらった。わたくしには横浜にじいちゃんとばあちゃんがおり、 二人が亡くなってからは、 おかんの弟夫妻がその家で暮している。周りに栗林があるので、そこの栗を拾って、持ってきてくれたのだ。 「あー、なつかしいねぇ。」口々に言い合った。 大好きなじいちゃんが木に登り、揺さぶって実を落とす。子供軍団は少し離れた場所で 待機し、 地面いっぱいの栗を回収する。両足で上手く『いがいが』をひっぺがして。 で、大好きなばあちゃんが栗ごはんにしてくれる。うむ、古き良き想ひ出。 小学校に上がりたてのある秋、一連の作業を、じいちゃんと二人ですることとなった。 「ぼけー。」と間抜けに生きているわたくし、じいちゃんの「いくぞー。」の合図を 聞き逃したらしい。 残酷なことに、じいちゃんもじいちゃんで、わたくしが非難したか否かを 確認せず、がっしがっし揺さぶった。 栗が落ちて来るということは、鋭利な凶器が降ってくるということである。 「うああ。」逃げ出したものの、時すでに遅し。頭のてっぺんに鋭い痛みが走る。 おそるおそる触ってみる。 3本ほどの『いがいが』が垂直にぶっ刺さっているではないか。 足がすくむ。 ここでじいちゃんに申告したならば、病院に連れていかれ、頭をメスでぱっくり割られ、 大手術だ。 とんでもない。行ってたまるか病院なんぞ。秘密をきめ込むことにした。 だが、このまま放っておいて 死んだりしないか、これまた恐い。 それから1週間ほど、オバQのごとく3本の『毛』を頭に おっ立たせながら眠れぬ夜を 過ごしたのであった。そして怯えることに疲れ果てたある日、 いちかばちか、 「抜いてみようか・・・。」と引っ張ってみた。 抜けた。生きている。 Katzla驚異の復活。 そんな事件も思いだし、独りくすくすと 笑っていると叔母が言う。 「あの栗林、とうとう切り倒されて公園になっちゃうの。」 じゃあ、これはあの栗林最後のプレゼントなのか。 1つ大切な想ひ出が持ってかれてしまう気がして悲しくなった。でも仕方ないのだ。 あそこはじいちゃんの土地ではなく、横浜市の土地だから。 じいちゃん、ばあちゃん。きっと『想ひ出』を大事に天国に持ってってくれてるはずだから、 わたくしも『宝物入れ』にちゃんと取っておくからね。
10月26日(Tue)公開前から気になっていた映画『アイ・ロボット』を観て来た。 上映されるようになって 1ヶ月以上経つので、今更、なのかガラガラであった。ポップコーンをぽりぽりかじりながらのんびり観た。 わたくしがこの映画を観たかったのは「CG映像が素晴らしく、 リアルである。」という理由もあったが、 「考えさせられる作品である。」 とTV、雑誌でうたわれていたからだった。 時は2035年、わたくしが60歳になっているであろう時代が舞台である。 あらゆる技術が進歩しまくり、車は自動運転、建物だって「あらまあ、宇宙風味ですこと。」 そして人間様にどこまでも尽くしてくれる『ご家庭用ロボット』が普及している、そんな世界になっていた。 正直言ってストーリーは期待していた程ではなかった。 もう少し「げ、そうだったのけ?!」的な大どんでん返し等があったらなぁと、 若干たいくつ気味に観ていた。 なので印象に残ったシーンは? といえば主演ウィル・スミスのシャワー浴びシーンであった。 彼の鍛え上げられた肉体はよだれが出るほど 美しい、などと余計なスケベ心を 芽生えさせてしまった。 ただ、あのロボット達、こいつらはすごい。人間に絶対服従、飼い主?の声のトーンのみでピンチを察知 したりもすれば、道すがら、ちょちょいと人命救助もやってのける。 お人好しにもほどがあるよ、 と言いたくなるくらい『いい子ちゃん』達である。 で、ストーリーは、その『いい子ちゃん』達が 突然「逆に我々が人間共を支配しようじゃないか。」と手のひら返して、さあ大変。 ロボットを信用しない主役刑事が食い止めようと 『てんてこ舞い』。ざっとこんなもんである。 「技術の進歩は人間にたくさんの『便利』をもたらすけれど、そのかわり何が起こるか 分からない、考えもんですね。」 とまあ、投げかける作品ではあった。 わたくしはこのようなロボットはいらん。というか、どうせ使いこなせない。 これでもか!というくらい『文明の利器』ついてゆけない原始人であるからして、 この先、 どんな『便利マシーン』やなんちゃらが世にはびこっても、ついてゆけそうにないのだ。 そもそも今現在所持している携帯電話ですら、全機能をフル活用できていないわたくしで ある。そんなロボットを 購入したって、何やら最初の設定うんぬんかんぬん、訳が分からず、 結局部屋の隅につっ立たせたまま ほこりまみれ、がオチであろう。 ついでに、あのロボット達は冷淡な顔立ちをしており、心もないから 愛しがたい。 だからして、機械やコンピューターなんぞ、「けっ。」と思うのである。 だが、唯一「これならば是非欲しい。」というロボットがいる。 そう、アジアのヒーロー、『ネコ型のにっくいアイツ』 である。ある日突然、我が家に現れて くれないものか。あのダミ声で「かーつーらーちゃぁぁぁん♪」 と呼んでもらえぬだろうか。 そうしたら抱きしめて、ほっぺすりすりして、ドラ焼きをしこたま用意しようではないか。 操作いらずだし、彼には『ハート』がある。『四次元ポケット』も強い味方だ。実に欲しい。 子供の頃からの『ドラ熱』が急上昇している今日この頃。 押入れに君の寝床作って待ってるから、この引き出しから出ておいで、ドラちゃん♪ |