8月31日(Thu) 恋せよ乙女
夏。それは燃える恋の季節でもある。
灼熱の太陽、とろけそうな熱気、バカンスなムード等が人々を解放的にし、情熱的にさせるのである。
さて、わたくしには行きつけのコーヒーショップがある。いつでもわりと空いているし、
騒々しくなくて過ごしやすい。セレブ風レディが優雅にお茶をし、ハンチング帽のお洒落じいさんが
のどかに読書していたり。落ち着くので、ものを書いたり曲のチェックをするのに適した場所なのである。
いつものようにコーヒーを味わいつつアホ面全開で涼んでいたわたくしは
衝撃的『恋のワンシーン』を目撃した次第である。
右隣の小さなテーブル。引き締まった筋肉に黒のタンクトップ、小麦色の肌に際立つ金のネックレス。
綺麗な顔の若い男子は人を待っている様子であった。
きっと、横に並んだらお似合いの、ちょいと派手めな可愛い娘がくるんだろうなぁ。
と、思った時だった。
「おーまーたーせーでしゅっ★」現れた女性。
わあああああああああああああ。(恐)
体型 、小錦。
推定年齢、56歳程度。
その身体に張り付いているヒョウ柄シャツのど真ん中では『伸びに伸びたヒョウ』の顔がキバを剥いて
ガンつけている。顔は、といえば
あ、高木ブーさん?サインもらえますか?
と本気で尋ねたくなるほど『瓜ふたつ』であった。
カウンターで購入したホットドッグと共に着席し、
「全部は食べれないからぁ、半分食べてくだちゃいっ★」
嘘をつけ。君なら10皿はいける。(信)
さらに、「スパイシーソースが辛うぃ〜★」
すると『小麦色青年』、口からはみ出したソースを優しく指で拭ってやっておる。
わたくしの視線はこのテーブルに釘付けとなり、全神経は『観察』及び
「起こっている出来事がいかなるものか。」を飲み込むためフル回転を始めた。
どうやら彼は『ミュージシャン兼ホスト君』であるらしい。
まだまだ音楽一本では食べてゆけず、バイトをしてるというわけだ。
高木さん(仮名)は店のお客様である。
汗ばむ彼女の汗を拭いてやりながら、いつかどこどこのギターを持って、でっかいステージに
立つのだ、と宣言している。
夢見心地の彼女は「ほんとにその野心はずば抜けてすごい。」といった感想を
たぶん普段より2オクターブは高いニャンニャン声で述べる。
で、ここで前出の『どこどこのギター』のおねだりに突入。
あっさり承諾。早!!
おい、ちょっと待て高木さん!と突っ込みたくなるが、完全に彼の手中であった。
「買ってくれ。」とは決して言わず、生き生きと「いかにその音色が素晴らしいか。」を語ったと思いきや、
「高すぎて手が出ない。」 と瞳に影を落とし、遠い目で笑う。
ときめきっぱなしの の彼女は『即買いオーケー』を出す。すげーなぁ、と。
次いで「TVが壊れ、見れない。ホスト仲間にバカにされ悔しい。」と
先程とまったく同じ一連の小芝居をやってのけ、なにやら最新の大型TVゲットにも成功。
おそれいったよ小麦君(仮名)。
お互いルンルン状態で店を後にした。
・・・・。『高木女史ひと夏のアバンチュール』といいたいところだが、いや、違う。
だってアバンチュールという単語は冒険味をおびた恋、やら
火遊び的な恋を指す言葉であるし。
彼女の場合、おそらく本気と書いてマジと読む恋 である。
彼の携帯が鳴る度、疑うような、心底悲しそうなまなざし。少女のそれ、であった。
勝手に『高木』などと名付け、面白おかしく書き殴っておきながら、いらぬ心配をしてしまう。
高木さん、お金いっぱい絞り取られちゃうかなぁ、とか借金いっぱいしてなきゃいいけどなぁ、とか。
まあ、まあな。いろんな『恋の形』があるのだし。
命短し、恋せよ高木。
でもさ、えーっとさ、世のガールズ。
お金絡まない等身大でいられる素敵な恋をしていこうぜベイビー♪
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